岡山大学などの共同研究チームは、鉄動員型の鉄キレート剤を用いて「機能的偽性低酸素(Pseudohypoxia)」を誘導し、抗腫瘍効果(免疫力)と組織修復力(神経再生)を同時に高めうる分子メカニズムと有効性をマウスモデルで示しました。成果は国際学術誌3誌に掲載され、岡山大学による公開日は2026年3月26日です。
偽性低酸素は、酸素が十分ある環境でも、細胞の酸素センサー酵素を阻害して細胞に「低酸素」と錯覚させる状態を指します。研究ではRoxadustatやSP10などを経口投与し、IL-2分泌の促進を介した免疫細胞の活性化や、免疫チェックポイント阻害薬(抗PD-1抗体)との相乗効果を確認しました。
さらに老齢マウスでは、炎症を強く伴わずに神経再生シグナルが活性化し、認知機能低下の抑制につながる可能性が示されました。関連特許としてPCT/JP2025/033487も示されています。
今後は、大腸がんや肺がんなどの治療増強、加齢に伴う認知機能低下の抑制に向け、免疫と修復の両面を引き出す治療プラットフォームとしての検証が進む見通しです。
【関連リンク】
詳しい研究内容(PDF):https://www.okayama-u.ac.jp/up_load_files/press_r7/press20260326-1.pdf
岡山大学 リリースページ:https://www.okayama-u.ac.jp/tp/release/release_id1522.html
論文(Cancer Immunology, Immunotherapy)DOI:https://doi.org/10.1007/s00262-025-04067-3
論文(Free Radical Research)DOI:https://doi.org/10.1080/10715762.2025.2551030
論文(Scientific Reports)DOI:https://doi.org/10.1038/s41598-026-42296-3
