名古屋市立大学などの共同研究チームは、脳内ヒスタミン神経の活動が数十秒スケールでゆっくり変動する「ゆらぎ」により、保存された記憶へアクセスできるかどうかが左右される仕組みを、マウス実験で明らかにしました。ヒスタミン神経活動が高いタイミングで記憶の手がかり音を提示すると、記憶に基づく舐め行動の頻度が低いタイミングより約40%高くなりました。
対象は視床下部の結節乳頭核にあるヒスタミン神経などで、覚醒中でも活動は一定ではなく、非常にゆっくりした変動を示しました。研究チームは神経活動をリアルタイム記録し、活動が高い/低い局面で音を提示できるシステムを開発して検証しました。
さらに光遺伝学でヒスタミン神経や扁桃体(基底外側核)への投射を抑制・活性化すると、記憶の取り出しやすさが変化しました。扁桃体のカルシウムイメージング解析では、記憶に対応する神経活動パターンの再現性が、脳内状態に応じて変わることも示されました。論文はNeuronに掲載され、DOIは10.1016/j.neuron.2026.05.019です。
同じ記憶でも思い出せる時と出てこない時がある「記憶アクセスのゆらぎ」について、具体的な神経基盤の一端を示した形です。今後は恐怖・空間・社会記憶など別種の記憶や、ヒトの日常的な認知機能変動への一般化を検証し、非侵襲的バイオマーカーや脳内状態を整える治療・予防法開発につながる可能性があるとしています。
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詳細URL https://www.kumamoto-u.ac.jp/whatsnew/seimei/20260609
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記憶が「ある」のに思い出せない仕組みを解明〜脳内ヒスタミン神経のゆらぎが記憶へのアクセスを左右する〜
