岡山大学などの共同研究チームは、植物ホルモン「サイトカイニン」が根から葉へ長距離輸送される過程を調節する受容体遺伝子「AHK3」を見いだし、接ぎ木で根だけのAHK3機能を低下させることで、離れた器官である葉の成長を増加させた。成果は国際学術誌「Plant and Cell Physiology」に2026年6月12日9時01分(JST)にオンライン公開された(DOI: 10.1093/pcp/pcag052)。

サイトカイニンは根で作られ、道管(植物の水や養分の通り道)を通じて葉へ運ばれ、葉の成長を促すことが知られている。今回の研究ではモデル植物シロイヌナズナを用い、接ぎ木技術で根のみのAHK3機能を改変し、根や道管液中のサイトカイニン濃度が増え、葉側のサイトカイニン応答性も高まることを確認した。

AHK3の働きが根—葉間のホルモン分配に関与することが示され、作物増産に向けた遺伝子ターゲットになる可能性がある。研究支援は科研費(JP24KJ1709、JP23K04978、JP20K05771、JP21H02087)やJSTプログラム(JPMJSP2155)を含む。

今後は、同様の制御が作物種でも再現できるか、収量や品質への影響を含めて検証が進むとみられ、離れた器官の成長を狙って操作する技術への応用が課題となる。

【関連リンク】
論文DOI: https://doi.org/10.1093/pcp/pcag052
研究内容PDF: https://www.okayama-u.ac.jp/up_load_files/press_r8/press20260612-1.pdf
岡山大学リリースページ: https://www.okayama-u.ac.jp/tp/release/release_id1556.html

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