岡山大学と北海道大学、北京大学の国際共同研究グループは、ジクロロオキソモリブデン(IV)(MoOCl2)を用いた単一の円盤状ナノ構造で、光を強く集める機能と、特定の色の光を効率よくためる機能を同時に実現し、偏光方向の違いだけで両機能を混ざらず独立に切り替えられることを示しました。研究成果はACS Nanoで2026年6月20日に公開され、岡山大学は2026年7月16日に情報を公開しています(DOI:10.1021/acsnano.6c06696)。
鍵となるのは、MoOCl2が結晶方位によって性質が変わる「異方性」をもつ2次元材料である点です。ある方向では金属のように、別の方向では誘電体(ガラスなど電気を通しにくい性質)のように振る舞うため、偏光方向を変えるだけで異なる光学応答を引き出せるといいます。
研究ではMoOCl2を円盤状ナノ構造に加工し、金薄膜の反射膜と組み合わせました。これにより、偏光方向に応じて二つの共鳴モードを選択的に制御し、一方は局所的な電場を強めて光を「集める」動作、もう一方は特定波長の光を「ためる」動作として機能することを実証したとしています。
同成果は、高感度光センサーや超小型光スイッチ、光情報処理デバイスへの応用が見込まれます。今後は、素子化に向けた作製プロセスの最適化や、実動作環境での性能評価が進むことで、実装可能性の検証が焦点になりそうです。
【関連リンク】
論文URL:https://doi.org/10.1021/acsnano.6c06696
詳しい研究内容(PDF):https://www.okayama-u.ac.jp/up_load_files/press_r8/press20260716-1.pdf
岡山大学 本件ページ:https://www.okayama-u.ac.jp/tp/release/release_id1568.html
岡山大学異分野基礎科学研究所:http://www.riis.okayama-u.ac.jp







