11月28日、ispaceとJAL、JALエンジニアリング、JALUXの4社が、月面輸送・運航分野での協業検討に関する基本合意書を締結しました。将来の月面活動を支える輸送システムと基盤構築を目標に、地球—月の新たな経済圏「シスルナ経済圏」の創出を見据えます。今回JALUXが新たに加わり、検討体制は4社となりました。
協業では、ispaceのランダーや関連設備に対し、JALとJALエンジニアリングが航空で培った整備・運航管理・管制の知見を適用し、高頻度離着陸を支える仕組みの共創を進めます。JALUXは一般顧客や民間企業向けに、月面輸送サービスのペイロード搭載枠の販売連携を検討します。JALは約70年の航空輸送で安全運航の経験を持ち、ispaceはHAKUTO/HAKUTO-Rの月探査実績を有します。
背景として、月面では輸送・探査・居住などの活動の本格化が想定され、地球と月の間(シスルナ)における経済活動の基盤整備が課題です。両者は2015年の支援開始以降、2018〜2022年の推進系配管製作・試験、2024年のローバー輸送支援など、技術と物流の協力を積み上げてきました。
今後は段階的に取り組みを拡大し、整備標準や運航手順、保守・保険・訓練など制度面を含めた社会実装の検討が進む見通しです。市場規模や時期は未確定ですが、民間主導で宇宙輸送を身近にする基盤づくりが焦点となります。
source: PR TIMES
