介護現場の学習環境が人材定着に影響する実態が示されました。2025年9〜11月、介護教育事業者が介護・看護職など現場従事者68人に行った意識調査で、「もっと学べたら」と感じる人は93％、「学ぶ機会があって職場に残りたい」は86％でした。学び直し需要と定着意向の関連が数値で確認できます。
対象は勤続1〜5年層、回収はGoogleフォームです。自由記述では「勤務時間内で学べない」「現場で使えない内容がある」などが目立ちました。サンプルは68件と小規模で企業主導のため、一般化には注意が要りますが、人手不足が続く介護産業にとって示唆は大きい結果です。
離職につながる構造課題は、①勤務外受講の負荷、②現場ニーズと研修の非連動、③指導品質の属人化と不公平、④学びと昇格・処遇の接続不明確の4点。重なると、成長実感の欠如→モチベ低下→離職意向増加の悪循環が生じます。
対策としては、勤務時間内研修やeラーニングの併用、評価制度との連動、指導者育成、効果のデータ可視化など、教育を業務と経営に組み込む仕組みづくりが挙げられます。現場で即活用できる内容と参加障壁の低さが、エンゲージメントと定着の要になりそうです。
今後は、勤務時間内研修の普及や公的支援の活用、第三者による大規模調査での因果検証が鍵です。現場が求める“すぐ使える学び”を継続提供できるかが、サービス品質と採用・定着を左右します。source: PR TIMES