富士通とフランスのクラウド事業者Scalewayは、Armベースの次世代CPU「FUJITSU-MONAKA」を用いたAI推論基盤の共同検証を欧州で開始します。2026年下期に共同PoC(概念実証)を始め、2027年以降に顧客向けパイロット環境の提供を検討しており、AIインフラのTCO(総保有コスト)削減と電力効率向上を同時に狙います。
FUJITSU-MONAKAは、2nmプロセスと独自マイクロアーキテクチャ、超低電圧回路技術を採用したCPUで、高いアプリケーション性能と電力効率を両立する設計です。GPU中心だったAI計算に、省電力CPUベースの推論という新たな選択肢を提示し、欧州で進むGX(Green Transformation)とデータ主権確保の要請に応えます。Scalewayは、GPU搭載の「AI Factory」など既存クラウド群にMONAKAベースの高効率ノードを組み合わせ、性能・コスト・環境負荷を可視化した形で提供する計画です。
AI利用拡大に伴い、データを域内に保ちながら処理する「データ主権」と、増大する電力消費の抑制が欧州共通の課題になっています。両社は、AI推論用途での性能指標と電力使用量を具体的に検証し、どのワークロードにCPUが適するかを整理することで、クラウド利用企業のインフラ選択を支援するとしています。協業の成果次第では、欧州以外の地域や他のAIワークロードへの展開も視野に入るとみられ、エネルギー効率を重視したAI基盤の設計に一つの指標を示す可能性があります。
【商品・サービス情報】
FUJITSU-MONAKA:Armベース次世代CPU、2nmプロセス採用、高性能・高電力効率設計
Scaleway AI Factory:GPU搭載クラウド基盤、AI学習・推論向けサービス群
source: PR TIMES
