国立大学法人岡山大学のタスクフォースは2025年11月11日、東京都調布市の電気通信大学研究設備センターを訪問し、ヘリウムリサイクル事業「中四国・播磨ヘリウムリサイクルネットワーク(中四国・播磨HeReNet)」の推進に向けた意見交換を行いました。液体ヘリウムはNMR装置など先端研究機器の冷却に不可欠であり、価格高騰や供給不安が続く中、回収・再利用体制の構築が喫緊の課題となっています。
会合には岡山大学から畑中耕治副タスクフォース長らが参加し、電気通信大学側は研究設備センター低温部門の技術者らが応対しました。電気通信大学からは、研究機器から発生したヘリウムガスを回収し、学内液化機で再び液体ヘリウムとして供給するまでの具体的なプロセスや、連携先の東京農工大学への輸送方法、料金設定の考え方など運用ノウハウが説明されました。岡山大学側は、中四国・播磨HeReNetで計画する段階的な実証実験(フェーズ0~3)の内容や、クライオ電子顕微鏡ネットワーク、研究データ共用、若手研究者支援プログラム「OU-SPRING/OU-BRIDGE」など自学の取り組み状況を紹介しました。
一行は電気通信大学でヘリウム液化機や回収現場を視察したほか、東京農工大学小金井キャンパスでも回収機器やNMR装置を見学し、使用済み設備から液体ヘリウムを回収する「HeliGet」事業についても情報交換しました。こうした成功事例と課題を共有することで、岡山大学が中四国・播磨地域の大学・高専・研究機関・企業に液体ヘリウムを安定供給できる体制を構築できれば、地域の研究開発基盤の底上げと、日本全体の研究力・イノベーション創出力の向上につながると期待されます。今後は計画中の各フェーズの実証結果を踏まえ、全国レベルの供給拠点構想との連携がどこまで進むかが焦点となります。
【関連情報(大学・研究基盤情報)】
岡山大学研究・イノベーション共創機構 https://www.orsd.okayama-u.ac.jp/
岡山大学総合技術部 https://techall.okayama-u.ac.jp/
岡山大学コアファシリティポータルサイト https://corefacility-potal.fsp.okayama-u.ac.jp/
岡山大学J-PEAKS事業サイト https://j-peaks.orsd.okayama-u.ac.jp/
source: PR TIMES
