岐阜県高山市で、飛騨地方の伝統工芸「一位一刀彫」による来年の干支・午(うま)の木彫り置物づくりが最盛期を迎えています。高山市本町の老舗工房「津田彫刻」では、2025年10月から作業を始め、全長約9センチから20センチほどの大小約200体を年末までに仕上げる予定です。
一位一刀彫は、江戸時代末期に彫師・松田亮長が始めたとされる伝統工芸で、高山市の木でもあるイチイの木を素材にします。イチイは「雷が落ちない」という言い伝えから、古くから災難よけの縁起物として用いられてきました。工房では30種類以上の彫刻刀を使い分け、木目を生かすよう曲線を丁寧に削り出し、馬が駆ける姿を表現しているといいます。
兄弟で制作を担う津田さんは、「何でもうまくいき、馬のように駆け上がっていく一年になりますように」と願いを込めて作業を進めています。工房では年末まで干支の置物の注文を受け付けており、正月飾りや贈答用としての需要が高まっています。
高山市は国指定の伝統的工芸品である一位一刀彫を広く知ってもらうため、イチイや市の花コバノミツバツツジ、郷土玩具「さるぼぼ」をあしらったPRバッジを作成し、市長や市役所管理職が着用して魅力発信に取り組んでいます。今後は観光客向けの情報発信やオンライン販売の強化などにより、伝統技術と地域ブランドの継承がどこまで進むかが注目されます。
【商品情報】
飛騨一位一刀彫・干支「午」置物(津田彫刻)
注文受付期間:2025年12月末まで
問い合わせ:飛騨一位一刀彫協同組合(津田彫刻) 0577-32-2309
津田彫刻公式サイト
高山市役所 広報公聴課 0577-35-3134
source: PR TIMES
