90歳近い「ゲージツ家」篠原勝之さん(愛称・クマさん)の個展「泡沫(うたかた)展」が、京都市中京区のギャラリー「京都場」で開催されています。会期は2025年10月4日から12月7日までで、開館時間は12時〜19時、月・火曜休館です。京都での個展は約27年ぶりで、病と闘いながら制作した土の作品を中心に約200点規模の器「百盌」シリーズなどが並びます。

篠原さんは鉄やガラスを用いた大作で知られますが、病気を機に素材を「鉄から土へ」と移し、手で土塊を捏ねて器を作るスタイルへ転換しました。かつて状況劇場のポスターや舞台美術を手がけ、「芸術」をあえて「ゲージツ」と呼んで常識からはみ出す生き方を貫いてきた人物で、著書やテレビ出演でも独自の世界観を発信してきました。

会場となる京都場は、大正期の京染工房だった町家を改装したギャラリー兼ホテルで、多様な表現が交わる場づくりを掲げています。会期中に予定されていた彫刻家・安藤榮作さんとのトークイベント「斧の安藤榮作×泥の篠原勝之の雑談」は、篠原さんの治療専念のため延期となりましたが、来春の「場外乱闘編」としての開催を館長らが構想中です。

篠原さんは「京都場は不測の日々を生きるオレの渾身の展示」と語っており、今後も体調と相談しながら発表を続ける意向です。企画側は、今回の展覧会をきっかけに、京都を拠点とした継続的な発信と、既成の枠に囚われないアート鑑賞層の拡大を見込んでいます。

【イベント情報】

泡沫(うたかた)|篠原 勝之 展

場所 京都場 KYOTO-ba(京都府京都市中京区西ノ京南聖町6-5)

会期 2025年10月4日(金)〜12月7日(日)

休館日 月曜・火曜

開館時間 12:00〜19:00

source: PR TIMES

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