従業員300人以下の中小SIer・システム開発会社の経営者を対象にした調査で、53.6%が自社のIT人材不足を感じていると回答しました。過去1年間の採用活動では40.9%の企業が「目標とする人材を確保できていない」とし、人材確保の難しさが浮き彫りとなりました。
調査はM&Aキャピタルパートナーズ株式会社が2025年11月11日〜13日にかけ、110人の経営者を対象にインターネットで実施したものです。自社IT人材のスキルに「非常に満足」「やや満足」と答えたのは44.6%にとどまり、過半数が現有戦力のスキル面に課題を抱えています。採用時の課題としては「応募者の技術スキル不足」が44.4%で最多、「応募者数が少ない」37.8%、「応募者の経験不足」「採用市場の競争激化」がともに31.1%と、人材の質と量の両面で不足感が示されました。
一方で採用対策として「給与・待遇の向上」を挙げた企業は33.6%、「リモートワークなど柔軟な働き方の導入」24.5%、「福利厚生の充実」20.0%となりました。過去1年間で人件費が増加した企業は29.0%あるものの、そのうち53.1%が増加分をサービス・製品価格に十分転嫁できていないと回答しており、収益性の圧迫も懸念されます。
今後3年間の大きな脅威としては「人材確保の困難さ」35.5%、「人件費の高騰」32.7%、「経済情勢の悪化」30.9%が上位を占めましたが、具体的な対策として「新たなビジネスモデルの開発」を挙げたのは38.5%にとどまり、「M&Aによる事業拡大(買い手)」は4.4%、「M&Aによる事業譲渡(売り手)」は0%と、M&A活用はまだ限定的です。DX需要の高まりでIT需要は拡大が見込まれる一方、人材確保難とコスト増が続けば中小IT企業の競争力格差が一層広がる可能性があり、採用戦略と価格戦略、さらにはM&Aを含む成長戦略の再検討が求められそうです。
source: PR TIMES
