宇宙スタートアップの株式会社ElevationSpace(仙台市)が、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の「JAXA パートナースタートアップ」に認定されました。併せて、国内最大級のオープンイノベーションイベント「ILS2025(Innovation Leaders Summit)」の公式プログラムでも、同社の取り組みが紹介されます。

ElevationSpaceは2023年4月から2年間、JAXAの共創枠組みJ-SPARCを通じて、「地球低軌道拠点からの高頻度再突入・回収事業」を検討してきました。低軌道とは高度約数百キロの宇宙空間で、ここから大気圏に再突入し物資を回収する技術について、JAXAが持つ「大気圏再突入・回収技術」の支援を受けています。

同社はさらに、宇宙戦略基金事業(第二期)で「高頻度物資回収システム技術」の実施機関にも採択されており、衛星型の実証・回収機「ELS-R」や、宇宙ステーションから物資を戻す回収カプセル「ELS-RS」の開発を進めています。JAXAパートナースタートアップとしては、技術面に加え事業開発やネットワーク面の支援も受け、日本発の宇宙輸送インフラ構築を急ぎます。

日本政府は宇宙戦略基金などを通じて宇宙輸送分野の民間育成を強化しており、今回の認定は、日本の宇宙開発の自立性向上と国際競争力の強化に向けた一歩といえます。一方で、再突入・回収は安全性とコストの両立が課題で、事業として成立させるには実運用での実績づくりが不可欠です。ElevationSpaceとJAXAの連携がどこまで高頻度な宇宙物資輸送を実現できるか、今後数年の技術実証とビジネス展開が注目されます。

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source: PR TIMES

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