世界5カ国の退職貯蓄者を対象にした調査で、定年後も少なくともパートタイムで働く意向を持つ人が全体の約34%に上ることが分かりました。特に米国では37%と高く、「定年後の再就業(アンリタイア)」の動きが鮮明になっています。

調査はティー・ロウ・プライスが米国、日本、オーストラリア、カナダ、英国の5カ国で、退職後の生活資金を準備している7,000人超を対象に実施しました。回答者の50%が「2026年半ばまでに景気後退が起きる」と見ており、日本とカナダでは景気後退を想定する人がそれぞれ62%、56%と悲観的な見方が強い一方、米国や英国などでは半数未満にとどまっています。

老後生活への自信も世界的に低く、「現役時と同等以上の生活水準を維持できる」と考える人は31%にとどまりました。特に単身女性の不安が大きく、オーストラリアでは高い自信を持つ男性が31%に対し、女性は15%でした。定年後を「楽しみにしている」と答えた人は約3分の1で、既婚者では39%、単身者では30%と、家族構成や収入水準によって意識差が見られます。

相談先としては、企業年金や福利厚生、従業員向け金融教育など職場由来の情報源が上位を占め、デジタルツールの普及後も、対面の人的アドバイザーは世界で最も信頼される助言源の一つとされています。日本では自己判断・自己運用志向が比較的強い傾向も示されました。

今後は、寿命の延伸と経済の不確実性を踏まえ、退職を一度きりの「到達点」ではなく見直しを続けるプロセスと捉えたうえで、雇用主や金融機関、政策当局が連携しながら、老後の経済的安定と就業機会をどう設計していくかが問われそうです。

source: PR TIMES

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