福岡県北九州市が実施する「シン・子育てファミリー・サポート事業(ファミサポ)」の利用回数が、令和6年10月のリニューアル後半年で前年比20%増加しました。利用料金の自己負担を1時間800円から500円に引き下げたことに加え、令和7年8月からは育休復帰期に無料で支援を受けられる制度拡充も始まり、共働き世帯の送迎や預かりニーズを取り込んだ形です。

ファミサポは、子育ての支援を「してほしい人」と「できる人」が会員となり、保育施設や学校への送迎、放課後や急用時の預かり、軽い病気の子どもの預かりまでを地域の個人同士で補い合う仕組みです。市の利用者アンケートでは、登録理由として「親族に頼れない」が70.1%と最多で、67.8%が「誰かに頼るハードルが下がった」と回答。「子育てのストレスやイライラが軽減された」33.9%、「以前より子どもに優しく接するようになった」24.3%など、精神的な負担軽減効果も数値で示されました。

利用者は30代53.9%、40代33.9%が中心で、会社員や自営業など働く親が74.0%を占めます。40.0%が「育児と仕事の両立が楽になった」と答え、「急な残業など仕事や都合による緊急時」に利用するとした人が37.4%でした。一方、「自分のリフレッシュや自己研鑽のため」が19.1%、「買い物や家事を集中して終わらせるため」が12.2%と、親自身の時間確保にも活用されています。

また、「子どもの習い事の選択肢を増やせた」とした回答は全体で13.0%、フルタイム勤務者に限ると27.9%に上ります。送迎の負担が減ることで、親の就労継続と子どもの体験機会拡大の両立につながっていることがうかがえます。少子化対策に取り組む一般社団法人日本子育て制度機構の「ベスト育児制度賞(少子化対策部門)」を受賞したことからも、地域の互助を生かした就労インフラとして全国的な注目が高まっています。

北九州市は、今後も利用者の声を基に制度改善を進め、「経済的・精神的負担を抑えつつ、必要なときに安心して『助けて』と言える環境づくり」を掲げています。自治体主導で地域の助け合いを仕組み化する取り組みが、育休復帰や共働き世帯の送迎不安をどこまで解消できるかが注目されます。

【事業情報】

北九州市「シン・子育てファミリー・サポート事業」公式ウェブページ

シン・子育てファミリー・サポートセンター ホームページ

一般社団法人日本子育て制度機構「ベスト育児制度賞」

source: PR TIMES

Share.