兵庫県丹波篠山市の特産黒大豆「丹波黒」が、12月に入り収穫・出荷の最盛期を迎えています。市内約2,300戸の農家が栽培し、日本一の生産量を誇る大粒黒豆が、正月用のおせち料理向けに全国へ向けて順次出荷されています。

「丹波黒」は、世界最大級とされる粒の大きさと、煮ても皮が破れにくい性質が特徴です。昼夜の寒暖差が大きい盆地特有の気候と粘土質の土壌が品質を支え、江戸時代には幕府献上品として扱われてきました。一般的な黒大豆が開花から成熟まで約70日なのに対し、「丹波黒」は約100日をかけて成熟し、長期間養分を蓄えることで大粒で甘みの強い豆になります。

今年は夏場の猛暑と少雨で生育がやや遅れたものの、秋以降の冷え込みで熟成が進み、例年並みの大きさと甘さの豆が収穫されているとされています。収穫は、大型のはさみで茶色く成熟した株を刈り取り、その後畑で乾燥、専用機械で脱粒・選別して出荷する流れです。10月には未熟な状態の「黒枝豆」としても人気を集めました。

丹波篠山の黒大豆栽培は、「優良な種子をムラぐるみで守る家族農業」として高く評価され、令和3年に「丹波篠山の黒大豆栽培~ムラが支える優良種子と家族農業~」の名称で日本農業遺産に認定されています。今後も、伝統的な在来種の選抜と手間のかかる栽培技術を維持しながら、観光や歴史行事と連携したブランド価値向上がどこまで進むかが注目されます。

【イベント情報】

黒豆奉納丹波篠山出立式

開催日時 令和7年12月9日(火)10時30分~11時30分

開催場所 篠山城跡 三の丸広場

参加費用 無料

駐車場  篠山城跡 三の丸西駐車場利用可

source: PR TIMES

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