ヘルステックの国際会議「Healthtech Summit 2025」で8日に開催されたピッチコンテスト決勝「ピッチファイナル」で、介護予防領域向けに骨格センサー技術を展開するスタートアップ、株式会社きづなろが最優秀賞に選ばれ、副賞100万円を獲得しました。観客の投票で決まるオーディエンス賞も同時受賞し、ダブル受賞となります。

ピッチコンテストは、予防・医療・介護だけでなく、食や人事(HR)など「人がよりよく生きること」に関わるテクノロジーを対象とした本サミットのメイン企画です。応募企業から選抜されたファイナリストが5分のピッチと7分の質疑応答(計12分)に臨み、審査員による評価で最優秀賞1社とスポンサー企業による各賞が決定しました。

きづなろは、介護現場の深刻な人手不足や長時間労働、高齢者の転倒事故といった課題に対し、骨格センサーとAIを組み合わせて転倒リスクや動作異常を早期に検知するプロダクトを開発しています。代表の大槻知史氏は、自身の家族が自宅で転倒しても気づけなかった経験から、単なる見守りではなく「人を本当に救う技術」の開発を志したと説明しました。

スポンサー賞の一つである「インテージヘルスケア賞」には、医療データ領域の株式会社Genicsが選出されました。審査員には製薬企業トップやヘルスケア大手、海外カンファレンス主催者など7名が名を連ね、日本のヘルステック市場への注目度の高さをうかがわせます。運営委員会にはメドピア株式会社とアルフレッサ株式会社が参画し、プログラム設計や企画を担っています。

ヘルステックサミットは今年で11年目を迎え、AI創薬やデータ利活用、個別化された治療体験など、新世代のヘルスケア技術をテーマに議論を深めています。イベントのアーカイブは、公式サイトからチケット登録(無料のオンライン視聴チケット含む)を行った人に期間限定で公開されます。

日本は世界有数の高齢社会であり、医療体制とデジタル実装の進展から、介護予防テクノロジーの実証市場として海外からの期待も高まっています。きづなろは今後、海外で先行する予防データ活用の知見も取り入れ、日本発の介護予防モデルの確立を目指す考えです。今回の受賞が契機となり、スタートアップと大企業、行政・医療機関との連携がどこまで広がるかが、今後のヘルステック産業の成長を占う指標になりそうです。

【イベント情報】

Healthtech Summit 2025 ピッチコンテスト

公式サイト https://healthtechsummit.jp/pitch.html

【スタートアップ情報】

株式会社きづなろ 公式サイト https://qiznalo.com/

株式会社Genics 公式サイト https://genics.jp/

source: PR TIMES

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