NHK経営委員会は2025年12月8日、現副会長の井上樹彦(いのうえ・たつひこ)氏を2026年1月25日付で会長に任命することを決めました。任期は3年間で、現会長の稲葉延雄氏は任期満了により2026年1月24日付で退任します。
井上氏は1957年7月4日生まれの67歳(2025年12月時点)、福岡県出身です。1980年に早稲田大学第一文学部を卒業後、日本放送協会に入局し、長崎放送局や福岡放送局など地域局の放送部門を経て、報道局取材センターで政治記者としてキャリアを重ねました。その後、同センターの副部長、担当部長、部長と政治報道の要職を歴任しています。
編成局編成センター長、編成局長、理事を務めたほか、グループ会社であるNHKアイテック代表取締役社長や放送衛星システム(B-SAT)代表取締役社長、特別主幹など技術・衛星放送分野の経営にも関わり、2023年2月からはNHK副会長を務めています。番組編成と報道、さらに衛星放送インフラの運営までを網羅する経歴が特徴です。
公共放送を取り巻く環境は、受信料制度の見直しやネット配信強化など大きく変化しています。井上氏の就任により、政治報道で培ったリスク管理と、編成・技術部門での経験を生かした経営改革が進むかが焦点となります。今後、経営計画やデジタル戦略の具体的な方向性がどのように示されるかが注目されます。
source: PR TIMES
