東京都中野区鷺の杜小学校で2025年11月22日、住民主体の避難所開設を支援するアプリ「N-HOPS(エヌ・ホップス)」を用いた実証実験が行われ、地域住民ら8グループ(各6人程度、計約50人)が避難所開設手順をアプリ上で学習しました。9月の初回は3グループ規模だったのに対し、今回は8グループへと約2.5倍に拡大しても、各グループが自走できることが確認されたとしています。
参加者はアプリに表示されるガイドに沿って、避難所の開錠、施設点検、受付の設営、利用スペースの整備など一連の手順を図面上で実施しました。事前説明は最小限でしたが、操作にはすぐ慣れ、「何をどうしたらよいか視覚的に分かりやすい」「このアプリがあれば共助が進む」といった評価が多く寄せられました。一方で「通信前提だと災害時に使えるか不安」といった懸念も挙がりました。
これに対しN-HOPSは、平時にアクセスして端末にデータを保存しておけば、通信が途絶した災害時でもガイドを閲覧できるオフライン機能を搭載。紙への出力にも対応し、アプリが使えない場面への備えも用意しています。また、訓練を通じて「実際の避難所の運用と手順が異なる部分がある」との指摘も出ましたが、N-HOPSでは防災担当職員が避難所ごとに行動支援ガイドを編集・更新できる仕様とし、施設ごとの実情に合わせたカスタマイズを可能にしています。
このアプリは2026年度の本格リリースを予定しており、すでに複数自治体から実証実験の問い合わせが来ているといいます。人口減少と人員交代が進む中、避難所運営のノウハウをデジタルで蓄積・継承し、住民主体の共助体制をどう広げていくかが今後の焦点となりそうです。
【サービス情報】
避難所開設・運営支援アプリ N-HOPS
本格リリース予定:2026年度
詳細:https://www.nohmi-service.jp/n-service/n-hops
source: PR TIMES
