ユニ・チャームは9日、使用済み紙パンツ(紙おむつ)のリサイクルプロジェクト「RefF(リーフ)」で、新技術「ドライ洗浄法」の開発に着手すると発表しました。香川県の産廃処理会社・富士クリーンと連携し、従来の水流洗浄法と比べて水使用量を約50分の1(同社比)に抑えられる技術確立を目指します。水資源が限られた地域や海外でも導入可能な循環型モデル構築を想定しています。

ユニ・チャームは2010年から紙おむつの再資源化に取り組み、鹿児島県志布志市や大崎町と連携して回収スキームを構築、2019年にはオゾン処理で未使用品同等品質の再生パルプを生成しました。一方で、再生工程では大量の水が必要なため、設備の大型化や処理コストが課題となり、他自治体や海外展開の障壁になっていました。同社は「Kyo-sei Life Vision 2035」で紙おむつリサイクル実施自治体を20に拡大する目標を掲げており、水使用量削減はその鍵と位置付けます。

ドライ洗浄法はドライクリーニングの発想を応用し、繰り返し使用できる専用溶剤と独自の殺菌・漂白技術で、使用済み紙おむつを衛生的に洗浄・殺菌する仕組みです。香川県綾川町内の事業所と協働し、富士クリーンが回収を担う形で地域の回収体制も整備します。スケジュールは、2026年に富士クリーン敷地内の実験棟で技術開発を開始し、2028年に本格プラント建設、2029年に稼働開始と近隣自治体を含めた正式回収開始を予定しています。

今後は、技術検証とコスト面の課題をクリアできるかが普及の鍵となります。水使用量削減によりインフラ条件に左右されにくいモデルが確立されれば、国内自治体だけでなく海外でも紙おむつリサイクルが広がる可能性があり、「つくる責任 つかう責任」を掲げるSDGsの達成にどこまで貢献できるかが注目されます。

source: PR TIMES

Share.