ゲイツ財団が、グローバルヘルス分野での25年間の成果と今後の展望を描いたアニメーション動画「Path of Progress」を公開しました。世界の5歳未満児の年間死亡者数は、この四半世紀で約1,000万人から約500万人へと半減しており、同財団は今後20年間で2,000億ドル(約31兆円超)を拠出すると表明しています。

動画は、医療へのアクセスが課題となっているアフリカの母子を主人公に、医療技術の進歩が安全な出産と子どもの成長につながる過程を描きます。背景には、依然として多くの妊婦が医療機関まで片道数時間を歩いて通う地域が存在し、支援の継続が不可欠という問題意識があります。映像制作は日本のアニメ制作会社A-1 Picturesが担当し、監督は森下勇輝氏です。

物語の中心となるのは、現場で実際に使われている三つの医療イノベーションです。携帯超音波検査機は、AIを活用し検査機器の乏しい地域でも精密検査を可能にし、2040年までに100万人以上の命を救う可能性があると推計されています。マラリア対策では、蚊帳などにより2000〜2024年に1,270万件のマラリア死亡を回避したとされる一方、殺虫剤耐性の蚊の増加により、新しい成分を用いた蚊帳の開発が急務となっています。

さらに、ワクチンは1974〜2024年の50年間で1億5,400万人の死亡を防いだと推定され、そのうち1億4,600万人は5歳未満児です。乳児死亡率低下の約40%にワクチンが寄与したとの分析も示され、感染症予防の中核技術として位置づけられています。同財団は、各国政府や国際機関、民間企業などとの連携を前提に、こうした技術をより多くの地域へ届けることが今後20年の焦点になるとみています。

【動画情報】

タイトル Path of Progress

視聴URL https://www.youtube.com/watch?v=mMRWVIlFOwo

source: PR TIMES

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