超小型人工衛星コンステレーション事業を手がける株式会社アークエッジ・スペース(東京・江東区)は、セーレン株式会社(福井市)と、6U級超小型人工衛星の多数機製造体制を構築するための連携強化に関する覚書を締結しました。アークエッジ・スペースがセーレンに発注した超小型衛星はこれまでに6機で、運用終了機を含めて全機が順調に運用されており、この実績を前提に量産フェーズへの移行を急ぎます。

今回の覚書では、現在主力とする6U衛星で「これまでを大きく上回る」多数機製造に挑戦し、1機あたりのコスト削減と製造リードタイムの短縮を図ります。超小型衛星の汎用バス(標準となる衛星本体部分)の開発は、2021年度の経済産業省支援採択に続き、2023年度以降はNEDOの「宇宙産業技術情報基盤整備研究開発事業」の一環として進められており、6U標準汎用バスと生産・運用システムの開発・実証が支えとなっています。

アークエッジ・スペースは3U・6Uあわせて15機の超小型衛星を設計・開発・製造・運用してきた実績があり、地球観測や船舶向け衛星通信、光通信、低軌道測位などの自社ミッションに活用しています。一方、創業1889年の総合繊維メーカーであるセーレンは、車両資材やエレクトロニクスなど非宇宙分野で培った品質管理や生産技術を宇宙産業に展開しており、衛星製造の新たな担い手として位置づけられます。

両社は今後、効率的で高信頼な量産プロセスを確立し、衛星コンステレーション運用に必要な多数機を安定供給できる体制づくりを進める方針です。具体的な製造機数やスケジュールは明らかになっていませんが、コストと納期の両面で競争力を強化できれば、国内外の小型衛星市場での受注拡大につながる可能性があります。

source: PR TIMES

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