人的資本開発プランニングセンターを運営するリクエスト株式会社は、33.8万人・980社の行動データを分析し、日本企業で導入が進む戦略人事やCHRO、ジョブ型雇用、人的資本経営が期待通りの成果につながりにくい構造的要因を整理したレポート「日本企業における人材制度の適用条件」(全26ページ)を無料公開しました。分析では、制度そのものの巧拙よりも、企業の価値創造構造との「相性」が成果を左右する決定要因だと結論づけています。

レポートによると、戦略人事やジョブ型、人的資本経営は、企業内部で価値創造が完結する「内部完結型モデル」を前提に設計されている一方、日本企業の多くは顧客、取引先、チャネルなど外部主体との協働で価値を生む「外部協働型」が中心だと定義。消費財、外食小売、テクノロジー、金融などでは内部完結型と構造が近く制度が機能しやすい一方、建設、住宅設備、建材、SI、物流など現場やチャネル側に最終価値がある産業では、制度改善だけでは成果が出にくいとしています。

また、人的資本経営で想定される「内部投資→能力向上→業績→情報開示」という直線的な因果は、外部協働型では成り立ちにくく、人的資本KPIも自社内の指標だけでは説明力が弱いと指摘。人事制度が届かない領域については、人事部門ではなく事業側が専門職種や経験の設計をやり直す必要があるとし、制度を適用すべき範囲と、事業構造そのものを再設計すべき範囲を区別する重要性を提起しています。

同社は、今後も組織行動科学に基づくデータ分析を通じて、産業ごとの価値創造構造に即した人材制度の条件整理と、人的資本KPIの再設計に関する実務的知見を提供するとしています。

【レポート情報】

日本企業における人材制度の適用条件

PDF全26ページ/無料ダウンロード可

source: PR TIMES

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