パナソニック コネクト株式会社は、CO2/MAG溶接向けのフルデジタル直流電源「YD-350NR1」を2025年12月12日に発売します。既存機種「YD-350KR2」と比べてスパッタ(溶接時に飛び散る金属粒)を最大81%、CO2排出量を最大22%削減できるとし、自動車や造船など高品質な溶接が求められる現場での生産性向上と環境負荷低減をねらいます。

新製品はアーク(溶接時の放電)の追従性を高めることで、全電流領域で安定した溶接を実現したとしています。スパッタは0.5 mm以上の大粒のみで比較しており、除去作業の手間を減らすことで生産ロスの低減や仕上げ品質の安定につなげる狙いです。消費電力の削減効果は、年間稼働260日、溶接4時間・待機4時間/日という条件で試算されており、使用環境によって削減率は変動すると説明しています。

操作面では、従来のベストセラー機のインターフェースを踏襲しつつ、板厚を入力するだけで条件を自動提案する「板厚指令」、手順を案内する「溶接ナビ」、条件選定を支援する「溶接コンシェルジュ」機能を搭載しました。物理ボタンと3.5インチカラー液晶を組み合わせ、熟練技能者から初心者まで使いやすい設計としています。

また、USB経由でソフトウェアアップデートや機能拡張が可能なほか、統合管理システム「iWNB」と連携することで、稼働状況や溶接条件を一元管理できます。溶接技能者の不足が進む中で、勘や経験への依存度を下げつつ、カーボンニュートラル対応と品質確保を両立できるかが、今後の導入状況を左右するとみられます。

【製品情報】

フルデジタルCO2/MAG溶接機 YD-350NR1

溶接法 CO2/MAG/ステンレスMIG

希望小売価格 オープン価格

source: PR TIMES

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