コンテナ型データセンターを手がけるゲットワークスは、新潟県湯沢町の「湯沢GXデータセンター」において、BALTIMORE AIRCOIL社製の密閉式大型冷却塔「FXV3」を国内で初めて本格稼働させ、3MW規模の水冷GPUサーバーを冷却できる体制を整えました。1分間あたり4,000リットル超の循環水を温度差10℃で冷却できる能力を持ち、水冷サーバー向け冷却塔として国内最大級の規模とされています。
生成AIの普及に伴い、高発熱のGPUサーバーの需要が急増する一方、多くの国内データセンターは空冷方式を前提としており、冷却能力不足が課題でした。水冷方式はサーバー内部を水配管で冷やす仕組みで、効率は高いものの、対応インフラの整備が進んでいません。ゲットワークスはGXテクノロジーと連携し、湯沢のコンテナ型データセンターで水冷環境を先行整備し、運用データを蓄積します。
導入した密閉式冷却塔は、循環水から受けた熱を外気と散布水の気化熱で奪う構造で、サーバー側の配管は外気に直接触れない点が特長です。気化で失われる散布水については、現地の豊富な井戸水を活用してランニングコストを抑制。さらに、冷涼な気候を生かして外気温に応じて散布水量を制御し、水使用量削減と資源保護を両立させる「グリーンデータセンター」運用を目指します。
今回の稼働検証の結果を踏まえ、ゲットワークスは全国で開発中のコンテナ型データセンター群への「FXV3」級冷却塔の展開を計画しています。水冷GPUサーバーの国内稼働実績を増やすことで、生成AIをはじめとする高負荷なITサービスの受け皿を広げ、遅れが指摘されてきた日本の水冷インフラ整備をどこまで加速できるかが今後の焦点となります。
source: PR TIMES
