栃木県足利市の菓子メーカー・大麦工房ロアは、世界で唯一の「大麦スイーツ」専門メーカーとして、2025年現在で年商45億円、従業員約200人規模にまで事業を拡大しています。同社は小麦を一切使わず、大麦のみで作る「大麦ダクワーズ」「大麦マカロン」「大麦栗テリーヌ」などを主力商品としています。
栃木県は日本一の大麦産地ですが、国内の大麦生産量は1960年のピーク時の20分の1まで減少しています。同社は1995年から大麦菓子の研究を開始し、1997年に大麦ダクワーズを完成させました。大麦は小麦と違ってグルテンを含まず膨らみにくいため、皮のむき方や製粉方法を含め独自技術を確立し、菓子製造に適した大麦粉を開発したとしています。
背景には、アメリカFDAが大麦食品に対し「コレステロール低下」「心臓病・糖尿病予防」に関する健康表示を認めるなど、大麦の機能性への国際的な注目があります。水溶性食物繊維である大麦β-グルカンによる血糖値上昇の抑制効果や、含有成分ギャバによる睡眠・ストレス改善機能が国内で機能性表示食品として認められている点も追い風です。
同社は農業法人「大麦工房アグリ」を通じ、足利市内の耕作放棄地を2017年から大麦栽培で再生し、この8年で市内放棄地の1割以上を農地に戻したと説明します。冬は大麦、夏はコメの二毛作で生産性向上と農家支援を両立するねらいです。今後は、第3次大麦ブームとされる健康志向の高まりを背景に、大麦の健康・環境価値を訴求しつつ、グルテンフリー需要の取り込みと地域農業の再生をどこまで同時に進められるかが焦点となります。
【商品情報】
大麦ダクワーズ:小麦不使用の大麦焼き菓子
大麦マカロン:大麦粉ベースのマカロン
大麦栗テリーヌ:大麦と栗を組み合わせたテリーヌ菓子
焙煎麦めし:大麦を焙煎したごはん用商品
公式サイト https://oomugi.co.jp/
source: PR TIMES
