2025年の世界のファイナンスアプリ市場で、インストール数は2025年第3四半期に前年比11%増、セッション数は16%増と成長率は鈍りつつも拡大を続けています。一方、日本のファイナンスアプリのインストール翌日(1日目)継続率は18.6%と世界トップ水準で、バンキングアプリに限ると20.6%に達しました。

調査によると、2025年上半期の世界全体の1日目継続率は12.5%で、2023年の13.8%から低下しています。その中で日本、フランス(17.4%)、英国・アイルランド(17.2%)が高水準を維持しました。地域別では、成長を牽引したラテンアメリカ(LATAM)がインストール数59%増、セッション数70%増と突出し、欧州はそれぞれ35%増、42%増、MENATは42%増、8%増でした。APACと北米はインストール数が微減だったものの、セッション数はAPAC35%増、北米15%増と利用の深まりが見られます。

サブカテゴリー別では、決済アプリが全セッションの58%を占め、2025年上半期にインストール数4%増、セッション数26%増と高いエンゲージメントを獲得しました。仮想通貨アプリはインストール数が前年比90%増と急伸した一方、セッション数は2%増にとどまり、利用の拡大が追いついていません。株式投資アプリはインストール数1%増、セッション数8%増と堅調です。アプリ内の平均滞在時間は6.59分と、2023年の6.29分から伸びました。

また、ユーザー獲得の費用対効果も改善し、ファイナンスアプリのインストール単価(CPI)は世界平均で1.51ドルから1.13ドルに低下しました。特に北米は7.03ドルから2.92ドルへ大きく下落しています。こうした中、AIやオープンバンキングなど新技術の普及と市場の成熟により、今後は単純なインストール数よりも、継続率や滞在時間といった「質」を重視した運営が一層進むとみられます。日本市場では、既に高いロイヤリティを背景に、データ計測と自動化を活用した効率的なマーケティングの重要性が一段と高まると予測されます。

【レポート情報】

レポート名:2025年ファイナンスアプリインサイトレポート

内容:インストール動向、セッション数、CPI、地域別・カテゴリ別分析

source: PR TIMES

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