花王は2025年12月10日、欧州化学工業連盟(Cefic)が主催する「European Responsible Care® Awards 2025」で「特別表彰」を受けたと公表しました。化学産業の安全・環境配慮を評価する同賞で、日本企業の花王は、プラスチック包装容器の削減と廃棄PETを使った高耐久アスファルト改質剤の取り組みが高く評価され、「カテゴリー2:業界の境界を超えて」での選出となりました。
花王は2040年までにプラスチック包装容器の使用量と再資源化量を同量にする「ごみゼロ」、2050年までに再資源化量が使用量を上回る「ごみネガティブ」を目標に掲げています。1991年からつめかえパックの導入や内容物の濃縮化を進め、日本の日用品市場では2023年時点でつめかえ・つけかえ製品が出荷数の約80%を占めるまで普及しました。2015年開始の「リサイクリエーション」活動では、全国の自治体や企業と連携し、2024年末までに使用済みつめかえパック約268万枚、約48.2トンを回収し、一部は水平リサイクル技術により再びつめかえパックとして製品化しています。
また、廃棄PETを原料とする高耐久アスファルト改質剤「ニュートラック」シリーズでは、舗装の耐久性を最大5倍に高め、日本国内で40万平方メートル以上の道路や駐車場で採用されています。この技術は欧州、米国、タイ、台湾にも展開が進んでおり、補修回数の低減によるCO2排出削減効果も見込まれています。審査では、約30年にわたる継続的なプラスチック削減の取り組みと、生活者や自治体を巻き込んだ資源循環モデルが先駆的な事例として評価されました。
今後、花王はESG戦略「Kirei Lifestyle Plan」のもと、2030年までに少なくとも10億人のより良い暮らしへの貢献と、全製品の環境負荷を地球の許容量内に抑えることを目指しています。今回の表彰を機に、欧州を含むグローバル市場でのステークホルダー連携と技術展開がどこまで広がるかが注目されます。
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source: PR TIMES
