生成AI搭載の翻訳支援ツール「ヤラク翻訳」を開発する八楽株式会社(東京・渋谷)の自然言語処理チームが執筆した研究論文が、機械翻訳専門誌「機械翻訳」No.83(アジア太平洋機械翻訳協会発行、2025年11月29日付)に掲載されました。論文名は「Quality Estimation Reranking for Document-level Translation」で、文書レベルで翻訳品質を高める新手法を実証的に検証しています。

論文は、ニューラル機械翻訳(NMT)が生成した最大32個の訳文候補を、別のAIモデルで評価し最良候補を選び直す「品質推定リランキング(QEリランキング)」を文書全体に適用。文脈理解をみるSLIDE、自然さを判定するComet、大規模言語モデル(LLM)によるGEMBA-DAなど複数手法で品質を数値評価し、候補数を増やすほど訳文の自然さと一貫性が向上する傾向を示しました。

従来は1文単位での評価が主流でしたが、本研究は契約書やマニュアルなど複数文にまたがる企業文書を想定し、文書単位で一貫性を検証した点が特徴です。研究成果は「ヤラク翻訳」の機能そのものではないものの、文書レベルで品質を底上げするという同社の技術方針に学術的な裏付けを与える位置付けとされています。

八楽は今後も、NMTをベースにGPTやClaudeといったLLMを補助的に組み合わせ、データに基づく評価指標を用いて翻訳モデルを改良していく方針です。機械翻訳エンジンにリランキング手法を組み込むことで、産業翻訳分野での精度向上や、長期的な翻訳支援サービスの信頼性向上につながるかが注目されます。

【サービス情報】

ヤラク翻訳公式サイト https://www.yaraku.com

source: PR TIMES

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