データセンター運営大手エクイニクスは、調査会社IDCの「ワールドワイド データセンターサービス サステナビリティ 2025-2026 ベンダーアセスメント」でリーダーカテゴリーに位置付けられました。水使用効率(WUE)0.95、電力使用効率(PUE)1.39、再生可能エネルギー比率96%(2024年実績)など、持続可能な運用を示す具体的な数値が総合的に評価された形です。
対象となったのは、世界36か国77都市圏で270超のデータセンターを展開するエクイニクスのグローバル拠点群です。IDCは、廃熱再利用や水資源管理、グリーンファイナンスなど、データセンターのライフサイクル全体にわたる取り組みを分析し、技術力と中長期戦略の両面からベンダーを比較しました。同社は2024年、ヘルシンキやトロントなどで発生した廃熱14.5GWhを地域暖房などに供給し、前年から245%増加させたとしています。
脱炭素目標としては、2040年までにバリューチェーン全体で温室効果ガス排出量実質ゼロを掲げ、2019年比でScope1・2・3すべてを90%削減する計画です。電力については2030年までに100%クリーンかつ再生可能エネルギー化を目指し、すでに米州と欧州・中東・アフリカでは達成済みと公表しています。
さらに、AI向けインフラを再生可能エネルギーと組み合わせて提供するほか、2020年以降で90億米ドル超のグリーンボンドを発行し、再エネ設備や省エネ型データセンターへの投資を進めています。顧客企業には、電力・水使用量や排出量を可視化するレポートを提供し、サプライチェーン全体での脱炭素を支援している点も特徴です。
今後は、PUEを2030年までに1.33へ改善する目標や、廃熱・水再利用の拡大がどこまで進むかが焦点となります。データセンター需要とAI計算量の急増によりエネルギー消費の増大が懸念される中、同社の取り組みが業界全体の効率化と規制対応のベンチマークになるかが注目されます。
source: PR TIMES
