リアルテックファンドを運営するUntroD Capital Japanは、急性期脳梗塞などで生じる「再灌流障害」を抑える高分子医薬品を開発するCrestecBioに対し、1.5億円の出資を行いました。調達した資金は、主力候補薬「CTB-211」の製造および非臨床試験に充てられます。
CrestecBioは、筑波大学・長崎幸夫教授が開発した活性酸素を消去する高分子ポリマー技術をもとに、同大学医学部の丸島愛樹准教授らが2021年12月に設立した創薬スタートアップです。血栓除去などで血流が再開した際、過剰な活性酸素によって起こる再灌流障害は、急性期脳梗塞患者の予後悪化要因とされ、血栓回収療法を受けた患者の約8割に何らかの機能障害が残るとされています。
厚生労働省の国民生活基礎調査では、脳血管障害は介護が必要になる原因の2位に位置し、関連医療費は2022年時点で約1.8兆円と推計されています。CrestecBioは、血中で安定し再灌流部位で選択的に作用する高分子医薬により、脳梗塞だけでなく臓器移植時の再灌流障害抑制も視野に入れています。
今後は非臨床データの蓄積と開発パートナーとの連携が進むかが焦点であり、実用化の時期や対象疾患の拡大は規制当局の審査と資金調達の進捗に左右される見通しです。
【企業情報】
CrestecBio株式会社
設立:2021年12月
所在地:茨城県つくば市吾妻二丁目5番地1
事業内容:高分子を用いた医療用医薬品開発
公式サイト:https://crestecbio.com
source: PR TIMES
