高校ラグビー強豪の桐蔭学園高等学校ラグビー部は、医療テック企業ココロミルの在宅型長時間心電図サービス「ホーム心臓ドックpro」をレギュラー中心の選手22人に試験導入し、9時間以上の連続計測で一般健診では拾いにくい心電図所見を把握しました。対象者のうち医療機関受診を検討すべき生徒が早期に判明し、部は2026年度以降の新入部員を対象に、入学前の実施を標準化する運用設計を進めています。

検査は胸部に小型心電計を貼る方式で、就寝を含む生活下で記録するのが特徴です。合宿では5台を持ち回りで1晩ずつ装着し、一部は自宅で保護者同伴で実施するなど、練習への影響を抑えた運用としました。睡眠中は自律神経の影響で徐脈性の不整脈が出やすく、短時間の安静時心電図だけでは見逃しやすいとされます。

ココロミルの自社統計(2025年5月時点)では、一般利用者の36%、プロ選手の43%が受診推奨を含むB/C判定となっており、「検出=病気確定」ではない一方で、長時間記録により潜在リスクを早く見つけられる可能性が示されています。今回の取り組みでは、異常があった場合は「命を最優先」にプレー可否を判断し、循環器専門医との連携で安全を確保する体制も検討されました。

今後は、①入学前スクリーニング、②専門医受診、③運動量の調整や経過観察、④定期的再チェックというサイクルの妥当性を検証し、他校やクラブにも展開可能なモデルの確立を目指します。学校体育で心臓性突然死が問題となる中、高校スポーツにプロ水準の安全基準をどう普及させるかが焦点となりそうです。source: PR TIMES

Share.