日本で犬の平均寿命が14~15年前後に伸びるなか、長期化する老犬介護で心身の限界を訴える飼い主が目立ってきました。夜間の徘徊や鳴き声、排泄介助、床ずれ対策など24時間体制でのケアが続き、「孤独感」「罪悪感」「燃え尽き」の声がSNSや相談窓口に集まっています。こうした状況を受け、自己肯定感分野の専門家である中島輝氏が、飼い主自身の心を守る「老犬介護疲れ軽減プログラム」を提示しました。

中島氏は、老犬介護のつらさの背景に「予期悲嘆」という、別れを前にした不安や悲しみの揺れがあると説明します。別れを想像することで生まれる怒りや罪悪感は自然な反応であり、「完璧にできない自分」を責めるほど自己肯定感が下がり、介護継続が困難になると指摘します。プログラムでは、①頑張りすぎないと自分に許可を出す、②ご飯を食べた・少し歩けたなど小さな「できた」を意識的に数える、③動物病院やデイケア、訪問介護など第三者の支援を積極的に利用する、という三つのステップを柱に据えています。

さらに、介護グッズの活用や10分の自分時間の確保、介護者コミュニティへの参加など、8つの具体策も紹介されています。中島氏は「別れに備えることは、今を大切に生きること」として、感情を押し殺さず、愛犬に伝えたい「ありがとう」を少しずつ言葉にするプロセスが、喪失後の心の回復にもつながるとみています。今後は超高齢ペット時代の進行にともない、医療や介護サービスだけでなく、飼い主のメンタルケアを含めた総合的な支援体制の整備が課題となりそうです。

【イベント情報】出版記念セレモニー

会場名:シャルマンシーナ東京

住所:東京都港区南青山

開催日:2025年12月21日(土)

時間:13:30~

詳細・申込:https://f3u77.hp.peraichi.com

source: PR TIMES

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