国内上場企業のCFO537人を対象とする調査で、62%が「1年前より経営環境の不確実性が高まった」と答えたことが分かりました。調査はKPMGジャパンが2025年8月4日~10月3日にウェブアンケートで実施したもので、米国政権の交代や関税引き上げ、為替・金利変動が企業規模を問わず影響している実態が数値で示されています。

企業価値向上に関しては、91%のCFOが「取り組みの実行に課題あり」と回答しました。開示内容の充実や株主還元強化など表面的な施策は進む一方、バランスシートを意識した経営や事業ポートフォリオの見直しといった実効性の高い改革は十分に進んでいないとの認識です。CFOの役割が財務報告から企業価値向上の司令塔へと広がるなか、そのギャップが浮き彫りになりました。

DX(デジタルトランスフォーメーション)については、「自部門で成果を享受している」と答えたCFOは31%にとどまり、多くの企業で経理財務領域のDXが道半ばであることが明らかになりました。さらに、経理財務部門のリソース不足を訴えたCFOは80%に達し、増員だけでなくシステム化や業務改善など複数の対策を同時並行で進めざるを得ない現状がうかがえます。

調査結果は、不確実性が高い環境下で日本企業のCFOが戦略立案とオペレーション強化の両立を迫られていることを示しています。今後は、DX投資の成果を具体的な業務効率化や高度な分析機能としてどこまで引き出せるか、人材確保と育成をどう進めるかが、企業価値向上を左右する鍵になるとみられます。

【レポート情報】

名称 KPMGジャパン CFOサーベイ2025

調査期間 2025年8月4日~10月3日

調査対象 国内上場企業のCFO・経理財務部門責任者

有効回答数 537社

詳細ページ https://kpmg.com/jp/ja/home/media/press-releases/2025/12/cfo-survey-2025.html

source: PR TIMES

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