日本金属株式会社は、トヨタ自動車株式会社と共同で、燃料電池向け「セパレータ及びその製造方法」に関する特許(特開2025-147500)を出願しました。公報発行日は2025年10月7日で、水素と酸素の反応で発電する燃料電池セル内の主要部品であるセパレータの性能向上を狙います。

燃料電池は、電解質膜をガス拡散層とセパレータで挟み込んだセルを多数積層して構成され、セパレータには発電した電気を集めて流す役割があります。そのため、電気が流れやすい「低接触抵抗」の表面が重要で、日本金属はトヨタ自動車と表面処理技術の共同開発を進めてきました。今回の発明は、冷間圧延ステンレス鋼帯など金属材料の加工技術を活かしつつ、燃料電池向けに必要な導電性と耐食性を両立させることが狙いとみられます。

この取り組みは、日本金属の第11次経営計画「NIPPON KINZOKU 2030」で掲げる「Near Net Performance(素材・部材で最終製品性能を実現)」の一環です。同社は、燃料電池セパレータを含む環境配慮型製品群「エコプロダクト」の販売促進を進めており、水素エネルギーや電動車市場の拡大を背景に、材料メーカーとしての事業構造転換を加速させる構えです。今後は、特許技術の実用化・量産化の進展と、他分野への応用の広がりが注目されます。

【技術・製品情報】

冷間圧延ステンレス鋼帯製品情報

https://www.nipponkinzoku.co.jp/corporate/business/stainless-steel/coldrolling

板橋工場概要

https://www.nipponkinzoku.co.jp/corporate/office/itabashi-plant

技術研究所概要

https://www.nipponkinzoku.co.jp/corporate/office/laboratory

第11次経営計画「NIPPON KINZOKU 2030」

https://www.nipponkinzoku.co.jp/investor-relations/strategies

source: PR TIMES

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