低消費電力無線通信ICを手がけるNordic Semiconductorは、nRF54Lシリーズ開発キットにWi-Fi 6機能を追加できる拡張ボード「nRF7002 Expansion Board II(nRF7002 EBII)」の提供を開始しました。対応開発キットはnRF54L15およびnRF54LM20で、2.4GHz/5GHzデュアルバンドWi-Fi 6に準拠しつつ、従来規格802.11a/b/g/n/acとも互換性を確保しています。

nRF7002 EBIIはWi-FiコンパニオンIC「nRF7002」を搭載し、Bluetooth Low Energyなど複数の無線方式を扱えるnRF54LシリーズSoCと組み合わせることで、マルチプロトコル対応IoT機器の開発を想定しています。Wi-Fi 6の特徴であるTarget Wake Time(TWT)、OFDMA(周波数の細分化による多重通信)、BSS Coloring(混信を軽減する識別機能)に対応し、混雑した環境でも省電力なバッテリー駆動を実現しやすい設計です。

オンボードのデュアルバンドチップアンテナにより、Wi-Fi帯域全体での通信品質を高めており、ホストとの接続はSPIまたはQSPIインターフェースから選択できます。電力プロファイリング用ヘッダーも備え、消費電力を細かく測定しながら回路設計を詰められる点が特徴です。ソフトウェア面では、Nordicの統合開発環境「nRF Connect SDK」に完全対応しており、サンプルコードを活用した迅速なプロトタイピングが可能とされています。

想定される用途は、スマートホーム機器やMatter対応デバイスのほか、産業用センサー、スマートシティ向けインフラ、ウェアラブル機器、医療機器など幅広い分野です。nRF7002 EBIIはNordicの販売パートナーを通じてすでに購入可能であり、Wi-Fi 6を取り入れた低消費電力IoT製品の開発競争が一段と加速するとみられます。

【製品情報】

nRF7002 Expansion Board II(nRF7002 EBII)

対応開発キット:nRF54L15 DK / nRF54LM20 DK

対応規格:Wi-Fi 6(802.11ax)、802.11a/b/g/n/ac

開発環境:nRF Connect SDK対応

source: PR TIMES

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