台湾で半導体材料の国産サプライチェーン構築が一段と進んでいます。TSMCは先進プロセス向けのフォトレジスト関連材料やALD(原子層堆積)用前駆体、フッ酸などを台湾メーカーから調達し始めており、2025年時点で一部材料では現地比率が着実に高まっています。新応材、宇川精密材料科技、僑力化工など複数企業がTSMCの採用実績を得ており、次世代半導体材料市場で存在感を強めています。

背景には、中国企業をサプライチェーンから外す動きと米中対立の長期化があります。TSMCは先端プロセスでは材料の安定供給と安全保障を重視し、台湾島内での調達比率引き上げに動いています。新応材はフォトレジスト関連材料で量産体制を整え、宇川精密材料科技はALD用前駆体でTSMC向けの採用を獲得しました。僑力化工は米アリゾナのTSMC工場向け供給を準備しており、海外拠点を含めた供給網構築が進みます。

半導体製造で使用される材料は、高純度化と微細プロセス対応が必須で、日本や欧米勢が長く市場を支配してきました。台湾勢は依然として技術や品質で課題を抱えますが、地理的近さと顧客との共同開発体制を武器に、高付加価値材料分野でシェア拡大を狙います。今後は、量産時の歩留まり(不良率)データとコスト競争力が鍵となり、台湾企業がどこまで海外大手の牙城を崩せるかが注目されます。

【商品・レポート情報】

ワイズ機械業界ジャーナル 2025年12月第2週号(0629号)

内容:半導体材料サプライチェーン、機械産業統計、医療AIロボット、ファスナー産業動向ほか

バックナンバー一覧:https://www.ys-consulting.com.tw/research/l/86/213/

無料試読申し込み:https://www.ys-consulting.com.tw/contact/

source: PR TIMES

Share.