大分市の株式会社ミトメ舎が、役目を終えた商業用のぼり旗を裂き織りで再生し、高付加価値の布素材として活用する「ノボリバタプロジェクト」を進めています。通常は産業廃棄物として処理されるのぼり旗を資源とみなし、廃棄物削減と地域経済への貢献を同時にめざす取り組みです。同プロジェクトは「ART & BUSINESS AWARD 2025」のファイナリストに選出され、2025年12月8日公開の「ART & BUSINESS PLAYERS FILE|Forbes JAPAN」にも掲載されています。
裂き織りは、不要になった布を細く裂いて糸状にし、織り直して新たな布にする日本の伝統技法です。ミトメ舎はこの工程を地域の障害者施設に依頼し、のぼり旗特有の鮮やかな色彩と、技法による柔らかさと強度を併せ持つ布を生産しています。仕上がる布は一点ごとに色や風合いが異なり、バッグや小物、インテリア、アート作品素材など多様な用途が想定されています。
同社は、文化的価値(伝統技法の継承)、環境的価値(廃棄物削減と循環型社会への寄与)、経済的価値(新市場の創出と地域経済への貢献)の「三本柱」を掲げ、のぼり旗由来の布を「新しい素材カテゴリー」として位置づけたい考えです。今後は自治体や企業と連携し、各地域で同様の小さな仕組みを積み上げるモデルを全国へ広げる方針で、将来的には拡大する世界のサステナブル素材市場との接続や、日本発のサステナブル素材ブランドとしての国際展開も視野に入れているとしています。
【プロジェクト情報】
ノボリバタプロジェクト公式サイト
source: PR TIMES
