2026年4月22日から5月29日にかけて、現代版画家・入江明日香さん(1980年生まれ)の大規模個展「入江明日香展 2026―月影とまどろみ」が日本橋高島屋S.C.と大阪高島屋で開催されます。会場では、一昨年制作の《黒雲妖炎龍図》(2023年)と対をなす新作屏風《夢幻対峙之図》(2025年、六曲一隻、158×516cm)を初公開するほか、版画やミクストメディア、映像など約60点が展示されます。入場料は一般1,200円、大学・高校生1,000円、中学生以下無料で、前売券は2026年1月14日から販売予定です。

入江さんは多摩美術大学大学院版画領域修了後、文化庁新進芸術家海外研修員として国内外で研鑽を積み、一版多色刷りの高度な版画技法と、自作版画をコラージュするミクストメディア表現で知られます。会場では、初期の抽象作品から近年挑戦しているリトグラフ(石版画)やアニメーション映像までを網羅し、技法の変遷と表現領域の広がりを時系列でたどれる構成とされています。

展示は六つの章立てで、アンドロギュヌス(中性的)な勇士像や、パリ滞在を背景にしたフランス語タイトルの作品、日本の節句や歌舞伎、東海道五十三次に取材したシリーズなどを紹介。とくに、龍を描いた《黒雲妖炎龍図》と、虎を主題にした新作屏風を一対として見せる「和のエッセンス」の章は、伝統美術のフォーマットを用いながら現代的なイメージを重ねる入江作品の特徴を示す場となりそうです。

近年、高島屋は2018年の回顧展や2023年の日本橋高島屋開店90年記念企画などを通じて入江作品を継続的に紹介しており、個展では抽選販売になる作品も多いとされています。人気作家の新作屏風と映像表現を同時に体験できる今回の展覧会は、百貨店美術企画における現代版画の位置づけや、伝統とデジタル表現の交差点を考える機会にもなると見込まれます。

【イベント情報】

日本橋高島屋S.C. 本館8階ホール

東京都中央区日本橋2-4-1

会期 2026年4月22日(水)~5月6日(水・休)

営業時間 10:30~19:00(19:30閉場、最終日は17:30まで・18:00閉場)

大阪高島屋 7階グランドホール

大阪市中央区難波5-1-5

会期 2026年5月14日(木)~5月29日(金)

営業時間 10:00~18:30(19:00閉場、最終日は16:30まで・17:00閉場)

source: PR TIMES

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