スタディポケット株式会社は、教員向け生成AIサービス「スタディポケット for TEACHER」のライセンス利用料を、2026年度(2026年4月1日)以降の契約から全国の学校教育機関に対して期限なく無償とすると公表しました。対象は小学校・中学校・高等学校・特別支援学校などで、人数制限はなく、教員3,000人規模の自治体でもライセンス料は0円としています。

同サービスは、授業用スライドを6〜15ページ自動生成する「AIスライド」や、高度な教材イラストを作れる「画像生成Pro」(1ライセンスあたり月30回まで)などを備え、これまで有償で提供してきた機能をそのまま利用できます。無償化されるのはソフトウェア利用権であり、校内研修の実施や個別サポート、AI活用ガイドライン策定支援など人的支援は、従来通り個別見積もりの有償サービスと説明しています。

背景には、文部科学省が2024年に改訂した生成AIガイドラインでAIを「人間の能力を補助・拡張する道具」と位置づけ、日本政府が2025年度までに大学・高専卒業生約50万人へAIリテラシーを習得させる目標を掲げるなど、国のAI政策との方向性の一致があります。企業側は、2年以上の開発運用を通じた基盤モデル運用の効率化やシステム最適化によりコスト構造を見直し、長期無償化が可能になったとしています。

教員の長時間労働が課題となるなか、スライド作成や板書計画、校務文書作成をAIで効率化することで、「子どもと向き合う時間」を増やす狙いです。一方で、児童生徒向けサービスや将来の上位プランは無償化の対象外とされており、今後は無償版を基盤に、より高度なAIエージェント機能を備えた有償プランが追加される可能性も示されています。無償ライセンスは学校・自治体単位の申し込みが条件で、同社は日本全体のAIリテラシー向上に向けた教育DXの起点としたい考えです。

source: PR TIMES

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