堺市は2025年12月、孤独・孤立の実態を定量的に把握するため、AIと専門相談員を組み合わせた実証プロジェクトを開始しました。推計で国民の約40%が孤独・孤立に不安や困りごとを抱える中、制度の対象外になりがちな「はざま」の層を含め、誰が何にどれほど困り、どの支援が有効かを数値で検証します。実証期間は2026年3月31日までです。
事業は堺市と、ヤングケアラー支援やAI開発を手がける株式会社Empathy4u、株式会社想ひ人の三者による協定に基づき実施します。LINE公式アカウント上に、①情報提供を行うAIチャットボット、②福祉に特化した自動相談窓口、③専門相談員による有人チャットの三つの導線を整備し、悩みの深刻度に応じて切れ目なく支援します。
さらに、SNS広告やWeb広告を活用し、年代や想定課題ごとにターゲティングしたオンライン広告からLINE相談へ誘導します。アクセス状況や相談内容、アンケート結果などを一括して分析し、相談に至るプロセスから支援利用の傾向までを可視化する点が特徴です。行政の分野ごとに分かれた窓口をAIが横断し、生活困窮、高齢者見守り、子育て支援など多領域の情報を一元的に案内することで、たらい回しの軽減も狙います。
今回得られるデータと検証結果は、堺市の今後の孤独・孤立対策に反映されるほか、他自治体でも再現可能なモデルとして政策提言につなげる方針です。AIと有人相談を組み合わせた支援モデルが、全国的な孤独・孤立対策の改善にどこまで寄与するかが注目されます。
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source: PR TIMES
