公認会計士1,091人を対象にした「2025年度版 会計士白書」で、監査法人を退職する割合が最も高いタイミングは在籍4年目の16.5%であることが分かりました。実務経験が一通り身に付く時期に、多くの会計士が次のキャリアステップを意識している実態が数字で示されています。
調査では、在籍年数とその後のキャリアとの関係も分析しました。監査法人で長く勤務するほど、事業会社へ転職する際に部長や課長クラスなど管理職ポストに就く割合が高まり、在籍21年以上では28.6%が管理職として採用されています。一方、在籍11年以上の会計士では約3割が独立開業やフリーランスを選択しており、長期在籍中に培った高度な専門性や人脈が独立の土台になっていると考えられます。
また、監査法人では在籍5年で約半数、10年で約8割が退職しているとされ、一定期間ごとに大きなキャリアの分岐点が存在することも浮き彫りになりました。転職市場が売り手優位である現状では、スキルの棚卸しと情報収集を十分に行えば、年収が大幅に下がる転職は少ないとの見方も示されています。
白書ではこのほか、生成AIの活用動向や女性会計士の活躍など、会計士の「現在」と「将来像」を幅広いデータで整理しています。働き方の多様化が進む中、在籍年数ごとのキャリアパターンがより明確になることで、個々の会計士が自らの市場価値を把握し、中長期的なキャリア戦略を描く動きが一段と広がりそうです。
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source: PR TIMES
