豊田通商グループのネクスティ エレクトロニクスとジーデップ・アドバンスは11日、モビリティ業界向けGPUトライアルサービス「GPU Advanced Test drive(GAT)」に最新AIシステム「NVIDIA DGX B200」を導入したと明らかにしました。Blackwell世代GPUを8基搭載し、前世代機「NVIDIA DGX H100」に比べ学習性能3倍、推論性能15倍に向上したとしており、大規模かつ複雑なAI学習データへの対応を強化します。

GATは2024年4月に開始したサービスで、自動運転やコネクテッドカー開発向けに最新GPU環境を短期利用できるのが特徴です。高い稼働率が続く中、利用企業からは学習データの大規模化に対応する高性能環境の要望が高まっていました。DGX B200はGPUメモリー総量1440GB、FP8演算72ペタFLOPS、FP4演算144ペタFLOPSの処理能力を持ち、2基のIntel Xeon Platinum CPUと最大4TBのシステムメモリーを備えます。

GATでは、テキストやLiDAR(レーザー測距)データ、画像などを組み合わせた動画生成や、自動運転シミュレーション、強化学習による車両制御アルゴリズムの高度化など、モビリティ特化のAI検証を提供。PoC(概念実証)から本格開発まで、ネクスティがモビリティシステム開発を、ジーデップがGPU最適化や運用支援を担う体制です。

今後は、より大規模な自動運転シナリオやレアケースの再現が可能になることで、モビリティ分野のAI開発競争が一段と加速するとみられます。一方で、DGX B200級の計算資源をどう効率的にシェアし、開発企業のコスト負担を抑えるかが、サービス拡大の成否を左右しそうです。

【サービス情報】

GPU Advanced Test drive(GAT)

提供:ネクスティ エレクトロニクス、ジーデップ・アドバンス

主な対象:自動運転・モビリティ関連のAI開発企業

利用形態:GPUトライアル環境(オンプレミス相当をクラウド型で提供)

source: PR TIMES

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