中古革靴専門店「LASTLAB」を運営する株式会社ストックラボ(東京都新宿区)は、生成AI「Claude 3.5 Sonnet」を使った「バイヤー業務支援・出品自動化プログラム」の開発と、実店舗での検証を開始しました。バイヤーが1足あたり約20分かけていた商品紹介文の作成時間を3分程度まで、約85%削減できるかを主要な数値目標に置いています。
対象となるのは、商品コメント作成、海外EC向け翻訳、LINEでの問い合わせ対応ドラフトの3領域です。高級革靴は一足ごとに状態が異なる“一点物”で、ラスト(木型)や製法など専門知識を要する説明が必要なため、従来は熟練バイヤーの属人的な作業となっていました。その結果、撮影・採寸・原稿作成といった「ささげ業務」に人材が取られ、真贋鑑定や店頭接客に割く時間が圧迫されていたといいます。
同社はまた、円安で需要が伸びる越境EC向けに、サイズ表記の自動変換に加え、「甲が低い」「返りが良い」といった感覚的な表現を英語圏の靴愛好家向けにローカライズできるかも検証します。さらに、過去のフィッティングデータを参照した返信案をAIが作成することで、LINE問い合わせのレスポンス向上と、ジュニアバイヤーの対応品質の底上げも狙います。
ストックラボは、まず実験段階でAIの精度と業務負荷の変化を見極め、問題がなければ本格導入を検討するとしています。将来的には、バイヤーが鑑定や顧客との対話といった「人にしかできない業務」に集中しつつ、AIが事務作業を広く補完するハイブリッドな運営体制が構築できるかが焦点となります。
source: PR TIMES
