キリンと富士通は12月17日、シチコリンの経口摂取が腸内の神経系に働きかける可能性を、AIを用いたQSP(定量的システム薬理学)モデルのシミュレーションと細胞モデルの実試験で示したと明らかにしました。シミュレーションでは、腸の神経にあるコリン作動性受容体のシグナル上昇と、腸のシナプス内アセチルコリン量が用量依存的に増えることを予測しています。
研究では、キリンが保有するデータと文献調査で得た代謝動態・受容体情報を基にQSPモデルを構築し、仏Nova In Silicoのバーチャル被験者技術も活用しました。あわせて腸管上皮細胞と神経細胞の共培養系で、シチコリンが腸を介して神経を活性化することを確認したとしています。腸と脳が双方向に影響し合う腸脳相関の観点から、腸を起点とする作用メカニズムの一端を示す結果だと位置づけています。
今後は、食品の機能性研究へDX技術を本格適用する流れが広がる可能性があり、シチコリンの健康機能性素材としての価値検討が進む見通しです。なお国内では、現時点でシチコリンの使用は医薬用途のみが認められています。
source: PR TIMES
