南スーダンで紛争激化により医療体制の逼迫が進み、国連によると2025年1月以降の避難者は32万人超、殺害は約2000人に上ります。国境なき医師団(MSF)は報告書で、医療施設の機能不全と援助削減が重なり、予防・治療可能な病気でも命が失われていると指摘しました。
現地では医薬品不足や人員不足が続き、MSFが支援した北西部アウェイルでも診療所スタッフの給与未払い、手袋不足、薬の在庫切れが起きたといいます。上ナイル州マラカルでは2025年4〜11月に外傷患者141人を治療しました。さらに医療施設への攻撃も増え、MSFは中央エクアトリア、ジョングレイ、上ナイルの各州で8件の標的型攻撃を受け、ウランとオールド・ファンガクの病院閉鎖に追い込まれました。
国際支援も細り、医療を支えるHSTPは支援目標1158施設に対し、資金制約で816施設にとどまります。マラリア治療薬は流行期に全国的な品切れが起き、MSFは2025年1〜9月に重度患者6680人を治療しました。保健予算は国家予算の1.3%で、今後は医薬品・物資と医療従事者給与の確保、人道アクセスと医療施設保護の実効性が焦点になります。
【関連情報】
MSF報告書(英文)Left behind in crisis: Escalating violence and healthcare collapse in South Sudan
source: PR TIMES
