台湾で2025年12月20日、衛生福利部と国家衛生研究院、台湾腎臓医学会が、アジア太平洋で初となる「早期慢性腎疾患(CKD)年報」をまとめました。Early CKD P4PとPre-ESRD P4Pの実績データとリスク分類指標を統合し、CKDステージ1〜5までを見通せる形で早期発見・早期治療の状況を可視化した点が柱です。
年報では、P4P(質に基づく報酬制度)の運用データ分析により、高リスク患者の割合が減少し、より早い段階のケアへ移行している傾向が確認されたとしています。一方で課題として、血圧コントロールの目標達成率が約30%にとどまる点を挙げ、腎機能悪化や心血管リスクに直結する管理の強化が必要だとしました。
発表はアジア太平洋腎臓医学年会(APCN)期間中に行われ、国際腎臓医学会など海外の腎臓領域団体の関係者も参加しました。台湾側は精密ケア(患者のリスクに応じた個別化医療)を中核に、予防指向モデルを国際連携の中で拡張する考えです。今後は、年報を継続更新しつつ、血圧管理など未達領域の改善指標を示せるかが、2030年までに慢性疾患の標準化死亡率を3分の1削減する「健康台湾政策」への貢献度を左右しそうです。
source: PR TIMES
