東北大学と富士通は12月22日、放射光施設NanoTerasuで得た角度分解光電子分光法(ARPES)の測定データに因果発見AIを適用し、カゴメ格子超伝導材料CsV3Sb5の超伝導に関わる因果関係を自動抽出したと発表しました。因果グラフは波形パラメータ抽出などで20分の1以下に圧縮し、ノイズ影響を信頼性・強さ・相関係数で絞り込みました。ARPESは電子のエネルギーと運動量から電子状態を読む手法です。従来はVやSbの電子が主因とする見方が中心でしたが、今回は超伝導を担うV3Sb5層の電子状態にCs原子の化学結合状態が強い影響力を持つことを示し、V・Sb・Cs電子の協働が関与する可能性を示しました。富士通は2026年3月にトライアル環境を提供し、材料探索の自動化拡大を目指します。
【論文情報】
Scientific Reports(2025年12月22日掲載)
DOI 10.1038/s41598-025-29687-8
source: PR TIMES
