東北大学と岩崎電気は2025年12月25日、深紫外(DUV)発光デバイスの共同研究を開始しました。防衛装備庁の「令和7年度 安全保障技術研究推進制度」で、BN(窒化ホウ素)薄膜を200〜230nmで発光させる研究課題が採択され、電子線励起型の深紫外光源の実現を目指します。水や空気の殺菌・消毒など、災害時を含む衛生用途を想定します。背景には、230nm以下のAlGaN系LEDで点欠陥が発光効率を下げる課題があり、間接遷移型で「光らない」とされてきたsp²-BNが、強い励起子格子相互作用により215nm帯で高い発光性能を示す知見があります。研究では、気相エピタキシャル成長で高品質sp²-BN薄膜を作製し、発光強度や寿命の温度依存など物理機構を解析、さらにBNを励起する小型・高効率の電子線源と面発光デバイスの開発を進めます。今後は、有人環境でも使える省エネの深紫外光源として、医療・食品・公共衛生・防災への応用拡大が焦点になります。

【制度情報】

防衛装備庁「安全保障技術研究推進制度」令和7年度 採択結果 https://www.mod.go.jp/atla/funding/kadai/r07kadai.pdf

source: PR TIMES

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