津南醸造(新潟県津南町)は、酒蔵内の売店で、乳酸菌発酵酒粕を原料とした植物性発酵食品「酒蔵ヨーグルト JOGURT(ジョーグルト)」シリーズの販売を始めました。きっかけは2025年12月の「冬蔵クリスマスフェア2025」で試飲提供と販売を行い、来場者の反響が大きかったことです。
JOGURTは、酒粕を乳酸菌で再発酵させた食品で、乳製品や砂糖を使わない点が特徴です。開発はFARM8(新潟県長岡市)が担い、津南醸造は原料となる酒粕を提供しています。メーカー説明では、雪国で見いだされた乳酸菌「ウオヌマ株」を用い、酒粕のうま味に乳酸発酵の酸味を加えることで、無糖ヨーグルトに近い食感と風味をうたいます。
フェアでは「JOGURT原液」や「やさしいあまざけ」も取り扱い、イベント後も継続販売することで、酒蔵体験を「飲む」から「食べる」へ広げる狙いです。鈴木健吾社長は、酒粕を副産物ではなく日常食として循環させる考えを示し、取り組みを日本酒のアップサイクルの一例と位置付けています。今後は売店でのラインアップ拡充や、発酵を体感できる提案を強める方針です。
