オリジナルReading Act(リーディングアクト)『スクルージと呼ばれた男』が2025年12月27日、東京・銀座の博品館劇場で開幕しました。公演は12月30日まで全8回で、チケットは全席指定(税込)S席11,000円、A席9,900円、U-18は5,500円です。原作はチャールズ・ディケンズの『クリスマス・キャロル』で、翻訳・脚本・演出は下平慶祐が担当します。出演は新木宏典、林光哲、前川優希、三井淳平、三本木大輔、河相我聞の男性6人で、複数役を担いながら物語を進めます。開幕前日の12月26日には取材会と公開ゲネプロが行われ、座長の新木は「新しくてすごく説得力のある朗読劇を準備した」と意気込みを語りました。

本作は朗読劇を基盤にしつつ、演劇的な動作や小道具の操作などを取り入れる「リーディングアクト」として上演されます。三井は、舞台上の小道具を役者自身が動かす点に苦労があったとしながらも、声の表現と身体表現の“いいとこ取り”だと説明しました。林は台本の書き込み量が多くテクニカル面が目まぐるしいと述べ、河相は声だけで空気を作り多役を演じる難しさがある一方、稽古を重ねることで世界観が立ち上がったと手応えを語っています。

物語は、守銭奴でクリスマスを嫌う初老の男スクルージが、あるクリスマス前夜に亡霊と出会い、不思議な体験へ誘われる展開です。新木は、不朽の名作が残り続ける理由として「社会や人間の葛藤が昔から大きく変わっていない」点を挙げ、スクルージの変化が最大の見どころだとしました。年末の短期公演として、観客の“アフタークリスマス”の時間に寄り添う作品になるかが注目されます。

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